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ツールドフランス2014 第13ステージ サン=テティエンヌ~シャンルッス 197.5km(山岳ステージ) [2014]




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コース概要
ツールはいよいよアルプスに突入。
ステージ前半に4級峠に入ると、その後しばらくは谷間が続く。
もちろん、山へ向けた戦いは、その谷間から始まる。
総合候補を擁する強豪チームたちは、山の入り口のはるか前から、
レースをコントロールし、エースをひとつでも先の順位へ
あげなければならない。
ツール初登場のこの1級パラキ峠には
ゴール前45.5kmから上り始める。
データによると登坂距離14.1km・平均勾配6.1%。
ただし本当のところは
登坂3km・勾配9.3%→下り2km→登坂9.1km・勾配7.4%で、
山道後半には12%超ゾーンも存在するというクセモノ。
山を下りると、谷間で一旦仕切りなおし、
各チームは最終峠シャンルッスへと取り掛かる。
史上2度目のゴールを迎え入れる超級峠は、
登坂距離18.2km、平均勾配7.3%。不規則に曲りくねった山道を、
標高1730m地点まで上り詰める。
フィニッシュ地からは、はるか遠くに、この山の最標高地点2253mを示す
「シャンルッスの十字架」が見えるかもしれない。

高低差図
img_profile_13.jpg

緩やかな下りから始まったステージは、当然のように、
無数のアタックで幕を明けた。我らが新城幸也(ユーロップカー)も
飛び出しを試みた。ステージ最初の3級峠(24km地点)を越えても、
執拗に突進は続いた。山頂からのダウンヒルを終えて、
道が平坦になった42km地点で、ようやく9人の逃げが出来上がる。
ツール区間勝利経験者の3人、ブリース・フェイユー、ヤン・バークランツ、
ビエル・カドリに、ジロで伝説的な雪のガリビエを制したジョヴァンニ・ヴィスコンティ。
さらにはアレッサンドロ・デマルキ、クリスティアン・ドゥーラセック、
ダニエル・オス、リュディ・モラール、バルトス・フザルスキー。
逃げ切りを祈りながら、メイン集団には5分近いタイム差を作り出した。

メインプロトンものんびりしていたわけではない。
前々日はキャノンデール、前日はジャイアント、今日はカチューシャ。
昨日、ステージ優勝を果たしたA.クリストフを要するチーム。
今日は山岳賞のポイントリーダーの
ホアキン・ロドリゲスのために作業を開始した。
こうして山が近づくに連れて、カチューシャ列車は猛威をふるい、
先頭集団とのタイム差はぐんぐん縮んでいった。
しか前日も激しく存在感をアピールしたユーロップカーが、
ゴール前75km、またまた全員隊列を組んで前線へと進み出た!
引っ張るのはわれらが新城幸也。この日は脚の調子がよく
絶好調!やはり見せ場は作ってもらわないと盛り上がりません!

新城幸也の見せ場!
幸也見せ場.jpg

その後、総合2位につけるリッチー・ポートに、異変が発生。。
そしてずるずると後退して行った。レース医療班の報告によると、
R.ポートは「消化不良(吐き気、嘔吐)」に苦しんでいたとのこと。
「フルームの代替リーダー」の早すぎる失速に集団内は色めきたった。
そしてここから、凄まじい加速合戦が、繰り広げられることになる。
ゴール前12km、引き金を最初に引いたのは、
ポートから1分24秒遅れの総合5位ティボー・ピノだった。

「レースを厳しくしてやろうと思ってね。他の選手たちも、
それほどアシストを残していたわけじゃなった。
だから、一発食らわしたら、どうなるのか、見てみたかったんだ。
脚の調子も良かったし、だから試してみることにした」
(ピノ、ゴール後TVインタビューより)

すぐさまメイン集団は大まかに3つに分断した。
1)総合19位からの上昇を願うレオポルド・ケーニッヒと、
純粋にステージ優勝にかけるラファル・マイカ、
つまり総合表彰台争いに関係のない2人が先頭へと抜け出した。
2)単独で仕掛けたローレンス・テンダムに、ピノと、
さらにポートから24秒遅れ総合3位アレハンドロ・バルベルデが合流し、
そこにマイヨ・ジョーヌも居座った。
3)後方は後方で、やはり熾烈なアタックと分裂、再集合を
繰りかえした。特に「暫定」表彰台へと向けて
新人賞ジャージ姿のロメン・バルデが幾たびとなく特攻をかけ、
2012年大会の新人賞ティージェイ・ヴァンガーデレンも
負けじと前へ突っ込んだ。

ここからニーバリが、2段階の攻撃に打って出る。
1)ゴール前6.8kmのアタックでピノとバルベルデを振り払い、
2)ゴール前2.6kmのアタックでケーニッヒとマイカを置き去りにした。
「コントロール」とか、「ステージ優勝を譲る」とか、
そんな悠長なことは言ってられなかった。
だって、2位のR.ポートに大差をつけられる
チャンスがめぐって来たのだから。
もちろん、プリトから山岳ジャージを奪い取ろう、
なんていう意思もなかったそうだが、
結果的には、黄色だけでなく赤玉も
所有することになったけれども。

ニーバリ、公式記者会見より
「明日も難しいステージになる。最終週もピレネーで、
非常に重要なステージが待ち受けている。
しかもタイムトライアルがある。
タイムトライアルのことを考えて、今日はポートをできる限り
突き放しておきたかったんだ。上手く行ったよ」
ニーバリの目論見どおりのレース運びで
第13ステージは幕を閉じた。

ニーバリ
ni-bari 13.jpg

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ハイライト動画(ニーバリの怒涛の追い上げ!)

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