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ツールドフランス2014 第15ステージ  タラール~ニーム 222km [2014]




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コース概要
アルプスをたった2日間で逃げ出して、
プロトンは大急ぎで西へと向かう。
次なる戦場ピレネーへと接近するための、
正真正銘「移動」ステージ。
しかも222kmもの長距離ステージを走り終えた直後には、
2回目の休養地へ向けた200kmもの大移動。
ステージの3分の2ほどは、それでも山の名残を感じさせるような、
軽いアップダウンの道が続く。しかしラスト70kmはほぼ平坦。
スプリンターたちが大集団ゴール目指して隊列を組むに違いない。
警戒すべき敵は2つ。
もしも晴れた場合、フランス南部のこの一帯は、
時に摂氏40度を超える。
もしも風が吹いてきた場合、
海風であれ、山からの吹き降ろしの風であれ、
時に時速100kmを超える風が吹き荒れる。
つまりレースを仕掛けるサインとなる。
そしてニームの闘牛場の目の前で、
ステージはゴールを迎える。

高低差図
img_profile_15.jpg

レース概要
主導権はやはりスプリンターチームが握った。
最大8分50秒のタイム差を与えたが、
久しぶりのピュアスプリンター向け大集団ゴールへ向けて、
きっちりコントロールを請け負った。アスタナ軍団は
一歩引いたところで、マイヨ・ジョーヌの
ヴィンチェンツォ・ニーバリを静かに護衛した。

15stage.jpg

しかし、平和な時間を満喫する選手たちの前に、
大自然の脅威が襲い掛かる。
平地に差し掛かると、猛烈な強風が吹いてきた!

そう、この地方は山から海へと吹き降ろす
「ミストラル」で有名な土地だ。
しかも、この日はフランス気象台が、各地に強風警報を出していた。
選手たちがせっせと走っているちょうど同じ頃、
コースの北側ほんの50km程度の町で、
突風で大木が根こそぎ倒されたほど。
そして、もちろん、風、と言えば北クラシック巧者を揃える
オメガファルマ・クイックステップが動かないわけがない。
残り70km地点。集団前方で突如、激しいダッシュに打って出た。

そう風は仕掛けのサイン!
2007年ツールで驚くべき分断を成功させた
風巧者アレクサンドロ・ヴィノクロフ。
その彼がマネージャーを務めるチームのリーダーが、
風に翻弄されることはなかった。
オメガに続き、ビーエムシー レーシングチームや、
アージェードゥゼール・ラ・モンディアルも、
同じように集団を引き千切りにかかった。
総合5位のティージェイ・ヴァンガーデレンに
3位ロメン・バルデを擁する両チームの目論みは、
総合表彰台争いのライバルを引き離すこと。

結局のところは、いずれの企ても実を結ばなかった。
ただし先行で逃げるエルミガー&バウアー組と
プロトンとの距離は、一気に縮まった。
ラスト50kmで1分45秒差。あとは定型通りに、
集団スプリントへと進んでいくに違いなかった。

ゴールまで40km。
今度は突然、空から大粒の雨が叩きつけるように落ちてきた。
1週間前に通過したばかりのヴォージュ山塊には、
ひょう被害が発生していたから、雨だけというのは
むしろ幸いだったのかもしれない。ただ路面は極めて滑りやすくなった。
今年のツールは雨とかの悪条件で何人もの
マイヨジョーヌの候補者をリタイヤさせたことか。。
だから、自らの落車を避け、さらには「もらい」落車を避けるため、
総合有力者たちはプロトン前方に集結した。
エスケープ追走はしばらく二の次で、慎重に、慎重にペダルを漕いだ。

15stage2.jpg

ゴール前20km、雨がようやく上がった。
スプリンターチームに再び制御権が手渡された。
先頭の二人とのタイム差はまだ1分25秒残っていた。

ここから、追走に、アタックに、カウンターアタックに、
とてつもなく大忙しのラストがやって来る。

肝心のエルミガーとバウアーは、
ギリギリの綱渡りを続けていた。
ラスト10kmで48秒。5kmで34秒。3kmで32秒。
ここまで協力体制は決して崩れなかった。

(エルミガー、ミックスゾーンインタビューより)
「ゴール前6kmで、もうダメだ、って悟った。
ところがゴール前3kmで、32秒差だと聞かされて、
『逃げ切れるぞ』と考えた。おそらく、ジャック(バウアー)も、
同じことを考えたに違いない。彼は全力疾走を止めて、
『ポーカーゲーム』を始めてしまった。
逃げ切りゴールに、よくあるパターンだよね。
もしもフィニッシュラインまで全力疾走していたら、
上手く行っていたさ。おそらくね」

そう結果はA.クリストフが片手を突き上げ、
第12ステージに続く人生2度目のツール区間勝利をさらい取った。
フィニッシュラインギリギリで吸収された
バウアーは10位、エルミガーは16位だった。
総合14位までは1秒もタイム変動はなく、
結果としてニーバリが2度目の休養日も
イエロージャージを手放すことなく、
マイヨジョーヌで過ごすこととなった。
15goal.jpg

気になる新城幸也は総合79位
また見せ場を作って欲しい!

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